ファクトフルネス!確証バイアスに陥らない!

確証バイアス

確証バイアスとは、自分の思い込みや願望を強化する情報ばかりに目がいきそうでない情報は停止してしまう傾向のことを指します。認知心理学や社会心理学において取り上げられるバイアスのひとつです。

バイアスとは考え方の偏りのことです。人はなかなか中立的な立場から物事を見ることができません。言い換えれば、人は自分にとって居心地のよい考え方に止まっていたい傾向がある証拠ともいえます。確証バイアスを知り、どんな時に思い込みを強化しがちか、またどうすれば確証バイアスに陥らないかを確認しましょう。

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確証バイアスが現れるシーン

確証バイアスが現れる主な3つのシーンです。

1.ステレオタイピング

ステレオタイピングとは、あるカテゴリーに対するレッテル張りのことです。多くの人にとって、最もありがちであり、注意が必要です。例えば、学生時代に運動部にいたと紹介されただけで、どれだけ厳しい状況でも耐えられる根性があるだろうなど、その人が持つイメージに当てはめて相手を見てしまうことはありませんか?一旦、ステレオタイピングが生まれるとそのステレオタイプを強める行動ばかりに目がいき、その逆の行動は、ほとんど目に入らない可能性が高くなります。

2.成功に対する思い込み

例えば、ある事業に参入すべきと思い込んでしまうと、上司や周囲から賛同を得るために、都合のよい情報ばかりを集めてしまうという例が挙げられます。最近は、検索ツールが充実しており、インターネットなどには自分にとって都合の良い情報も悪い情報もあふれています。自分の思い込みを強化する情報だけで、意思決定に関わる資料を作成することも可能になってしまいます。意思決定を提案する側も精査する側も、かつて以上に注意が必要です。

3.商品購入前後の自己正当化

例えば、ネットショッピングで新しく発売された自転車を買う場合、購入前にレビューをチェックするとします。このような時は、大抵良い評価をつけている書き込みばかりを見てしまい、悪い評価をつけているコメントは読まないか、軽視してしまいがちではないでしょうか?さらに購入後は自分の行動が正しかったと考えたがる人間の性質上改めて好意的なレビューや広告に目がいき、自分の判断は間違っていなかったことを確認したいのです。

ここまでよくあるシーンの例を見てきましたが、確証バイアスはビジネスのミーティングの場など複数の人が集まっているシチュエーションでも起こり得ます。

くらし確証バイアス

ビジネスでの確証バイアス事例

ある雑貨販売会社では、売り上げを伸ばすために新しい店舗を海外に出店すべきか検討することになりました。Aさんは、海外進出すべきと主張しており、Bさんは進出すべきではないと主張しています。社内も積極派と慎重派の二つに分かれたため、じっくり議論で決めようということになりました。後日、AさんとBさんの討論が行われました。客観的に見れば、優劣つけがたく活発な議論になりました。しかし、それを傍聴していた他の社員のうち、元々をAさんを支援する人たちは、Aさんの主張の方が勝っている。Bさんを支持する人たちは、Bさんが勝っていたという反応でした。つまり、議論の中身に関係なく確証バイアスによって支持者やその持論を裏付ける情報は受け入れず、元々の考えを一層強めてしまったのです。このように、本来客観的かつ冷静に判断しなければならないビジネスなどの場でも確証バイアスは見られます。

確証バイアスに陥らない方法

確証バイアスに陥らずに、より客観的に判断するためのチェックポイントを見ていきましょう。

✔自分が参考にしている情報の出所に偏りがないかを意識しましょう。

 様々な意見が反映されたバランスの良い情報を参考にしていますか?

✔視点や視野が限定されていないかを確認しましょう。

 自分の主張と違う意見も考えあわせているか?

最終的な判断をする時は、自分の主張とは違う意見も考えを合わせた上での判断かと自分に問いかけてみましょう。多くの情報の中から自分に都合のよいものだけを取り出さず、客観的で冷静に情報を精査することを意識していきましょう。

確証バイアスのまとめ

確証バイアスは 人間心理の深い部分に根ざしている為、バイアスから脱するのはなかなか難しいです。確証バイアスに陥らないためのポイントです。

誰もがバイアスにとらわれる可能性があるということを自覚しておくこと

✔遠慮して耳の痛いことを言ってくれない知人よりも信頼でき率直な視点から様々なアドバイスをくれる知人を社内外にバランスよく持っておくことが有効

自分はこのような人間だと思い込む自己認識に注意が必要。自分はこのような人間だと思い込むとそれに合った情報や経験を重くみて、ますます自己認識を強めてしまいます。そのため自分に否定的な感情を持つのではなく、ポジティブな自己像を思い描き、それを強化するような情報収集を心がけることが大切です。

確証バイアスの存在を自覚し客観的な分析や判断を心がけましょう 。